のれんの生い立ち
縄文時代のころからすでにあったとされるのれんですが、それは現在のような認識とは少し違い、防寒や防風、さらに日除けなどの役割を果たす道具として使用されていたのだそうです。
当時の人々の家は、堅穴式住居と言って、地面を円形などに掘り窪め、その中に複数の柱を建て、梁などをつなぎあわせて骨組みを作り、その上から葦など葺いて屋根を作った建物です。これの入口にのれんを垂らして外と家の中を仕切るために使っていたのではないかと思われます。
その様は今で言うところのテントのようなイメージに近く、これはネイティブアメリカン(アメリカ州の先住民族)の住居にも同じようなものがあります。そののれんが日本では、庶民が広く文字を読み書きできるようになる江戸時代初期になると次第に広告のような役割としても使用されるようになり、今のようなのれんの使われ方に変化していきました。
日本独自の美意識の中ではのれんはシックで上品な色合いのものが多く、それは日本の四季折々の自然の中にマッチしており、和の暖か味のあるデザインと柔らかくも上質な木綿を用いたものが多かったとされています。